ちょっとだけ未来


 今年最初のエッセイで、2010年は「ハイビジョン映像」の年になるんじゃないかという話をした。いままではビデオカメラでしか撮影できなかったハイビジョン動画が、デジタルカメラで撮れるようになったからだ。

 デジタルカメラの普及率について詳しいデータを持っていないけど、毎年1000万台前後も出荷されているんだから(2009年は970万台)、お持ちになっている方は多いと思う。ちなみに、ビデオカメラの出荷台数は、デジカメのほぼ1/10だ。市場規模が一桁も違う。

 前回のエッセイでは、デジカメでハイビジョン動画を撮って、テレビに簡単に映せて、ネットへの投稿もPCレスでできるようになったら、うれしいよね。って話をした。そんな製品が今年は出るんじゃないかな。出ればいいなと。

 さっそくだけど、そんな予想に近い製品がもうじき出る。

 ソニーの「DSC-HX5V」というのがそれだ。発売は3月5日を予定しているらしい。

 DSC-HX5V の製品紹介ページはこちら (別ウインドウで開きます)

 ソニーの発表資料(上記の紹介ページ参照)を見る限り、かなり期待できそうだ。GPSを内蔵しているので、撮った写真に位置情報(ジオタグ)を埋め込むことができる。ソニーは専用ソフトしか推奨しないだろうけど、おそらくGoogleマップでも利用できるだろう。

 じつはぼく、あんまり大きな声じゃ言えないが、地図を眺めるのが趣味なのだ。Googleマップ最高ッよ。自分が旅した場所で撮った写真が、Googleマップにピンインできたら最高じゃん。

 いや、いままでもデジカメにGPSを接続することはできたし、内蔵した機種もあった。でもソニーの新製品ほど、ほかの機能も含めて魅力的ではなかったんだ。

 では、GPS以外の魅力を見ていこう。

 レンズが広角なのもいい。35mm(いわゆるフィルムカメラ)に換算すると、25mmという広角から、250mmという望遠までカバーするズームレンズがつく。人によっては、望遠側が物足りないだろうけど、ぼくには十分だ。

 そして撮像素子が、話題の裏面照射型なのもイカス。詳しくは書かないけど、現在主流の撮像素子は、光を感じる部分を覆い被すように電子回路が載っている。光を感じる部分が主役のはずなのに、その多くの部分を脇役の回路が隠してしまっているんだ。なんで、そんな非効率的な設計になっているかというと、それが作りやすいから。(つまり安く作れる)

 で、裏面照射型にすると、非効率を解消できるんだけど、その代わり作るのがとっても難しいってわけ。ソニーは他社に先駆けて商品化に成功したんだ。こんどの機種にも、その最新技術が使われている。

 さて。肝心の(?)動画機能だ。DSC-HX5Vは、AVCHDというハイビジョンを記録するための動画フォーマットを採用している。これはソニーのビデオカメラと同じだ。さらに動画のための手ぶれ補正も、最近のビデオカメラと同じ強力なモノが搭載されている。本格的に動画を撮りたいなら話は別だけど、手軽にハイビジョン動画を撮りたいというニーズには、オーバースペックと思えるくらい機能が充実している。(余談だけど、AVCHDはBlu-rayとフォルダ構造が同じはずだから、これから普及期に入るBlu-rayとも相性がいいはずだ)

 さらに、ここからが本当に肝心なところ。こんどの「DSC-HX5V」は TransferJet という近距離無線技術に対応している。正確には、TransferJet のモジュールを内蔵したメモリースティックに対応している。TransferJetが入ったメモリースティックを入れれば、撮った写真が簡単に(無線で)ほかの機器に転送できるのだ。(相手の機器にもUSBで受信機を取り付ける必要があるけどね)

 ステキ! ちょっと未来ぽいわ〜。

 以上、ソニーの「DSC-HX5V」を簡単にご紹介した。サイトを見ている限り、非常にほしい。むちゃくちゃほしい。コンパクトなデジタルカメラで、フルハイビジョンが撮れるってすごいよね。ハイビジョン撮りたーい。それを無線で転送したーい。(仕事で使ってるデジカメでも、無線でデータをPCへ飛ばせるけど、それとは手軽さが違う)

 さらに、ソニーの話は続く。NTTドコモから、すごくカッコいいスマートフォンが出るのだ。その名も、ソニー・エリクソンの「Xperia(エクスペリア)」。こちらは4月ごろの発売。

 Xperia(エクスペリア)の製品紹介ページはこちら (別ウインドウで開きます) 

 念のため申し上げておくと、ぼくはソニー信者じゃない。むしろ「ソニータイマー(保証が切れたら壊れるように設計されている)」なんて呼ばれる都市伝説が、本当にあるんじゃないか……と思ってるわけじゃないけど、ソニー製品の耐久性の低さには泣かされてきた口だ。だからソニー大好き! ってわけじゃないんだよ。

 閑話休題。

 NTTドコモは、今月(2010年1月)の21日に、エクスペリアのためだけに発表会を開いた。会場にはプレスが入りきれないほど押しかけたそうだ。これほど注目を集めたスマートフォンは、アップルのiPhone以来なんだとか。

 とにかく、カッコいい。

 さすがソニー。男の子が好きなデザインをよく知ってるよ。アップルのiPhoneは、なーんか線が柔らかいというか、あの丸っこさが、あんまり好きになれなかった(だから買わずにすんでいる)。そこへエクスペリアが登場だ。こいつは文句なくカッコいい。男性的なデザインだけど、女性が持っているところを想像しても、すごくクールだ。

 さらに、Android(アンドロイド)という、Googleが主導して作っているケータイ用OSを採用しているのも注目に値する。iPhone OSと、Windows mobile が市場を二分していたところへ、第三の勢力として、ぐんぐん存在感を増しているOSだ。もしかしたら将来は、Androidがスマートフォンの主流になるかもしれない。

 あー、どうしよう。ほしいな。マトモに買ったら、たぶん7万とか8万とかするんだろうな。ノートパソコンが買えちゃう値段だよ。でも、二年縛り(二年間は使い続けるという契約)で、4万円ぐらいにはなるかも。そしたら買いか?

 あー、でもなー。ソニーのデジカメもほしいしなあ。さっき紹介した「DSC-HX5V」の値段は、45,000円くらいになるらしい(オープンプライスなのだ)。ということは、安いとこだと初値は4万前後だよな。うーむ。エクスペリアも4万円ぐらいだとすると、あわせて8万か。きついなあ。

 というわけで、春に訪れるであろう新製品ラッシュを前に、すでに物欲に悩まされている今日この頃なのでありました。相変わらず、エッセイとは呼べない駄文ですいませーん。こんなのTwitterでつぶやけ、みたいな。(わたくし、Twitterでつぶやいてはおりません。念のため)


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