おニューのパソコン



 突然ですが、パソコンを新しくしてみました! いま、この文章も新しいパソコンで書いてます。

 いやまあ、新しいパソコンと言ってもですね、べつに最新機種ってわけじゃないんですよ。むしろ、古いといってもいいくらいです。

 なんで、新しいのに古いのか?

 それはですね。部品の寄せ集めで作った、自作パソコンだからなのです。じゃーん。そうなんですよ。わたくしTERUは、ついに、パソコンを、自分で組み立ててしまいました。

 じつは、一年半ぐらい前でしょうか? パソコンを自分で組み立ててみたいと思ったのですが、そのときは、断念しました。なんで断念したかというと、どんな部品を買ってきたらいいのか、まったく知識がなかったので、インターネットで調べてみたのです。そしたら、あなた、CPUだとか、マザーボードだとか、メモリだとか、電源だとか、いろんな製品が、いろんな組み合わせで存在していて、その膨大な情報量にめまいがしちゃったのです。ATXってなに? ASUSTeKってどう読むの? なーんにもわかりませーん。ちんぷんかんぷん。

 しかし、月日は流れ、その間にも、わたしのパソコンくんは、どんどん、時代から取り残されていったのです。まあ、時代から取り残されようが、ちゃんと動けば問題はないんですが、ここ最近、スイッチを入れても、接触が悪くなってきたのか、一発で電源が入らない。ぐっと強くスイッチを押し込まないとダメなんですよ。ヤバいなあ。そろそろ寿命かなあ。急に動かなくなったらどーしよう。怖いなあ。なーんて思っていたのです。

 そこで。わたくしは、ふたたび自作パソコンへの道を歩み始めるべく、インターネットの検索ページを開きました。こんどは挫折しないぞ。知恵熱が出ようがなんだろうが、がんばって調べるのだ。

 え? なんで、メーカー製のパソコンを買ってこないんだって? いまどき自作するより安く買えるだろ? いやまあ、そうなんですけどね。それはあなた、登山家に、なんで山に登るのかと聞くようなもんですよ。そこに山があるからだ。ぼくの場合は、そこに部品(いままで使っていたパソコン)があるからだ。バラして、使える部品は使い回し、環境にやさしいパソコンを作るのだ。いえ、そこまで高尚な目的意識はございませんで、だって、作ってみたかったんだもん。というのが正直なところでございます(笑)。

 さあ、そんなわけで、下調べ、下調べ。前回、挫折したのはマザーボードでした。パソコンの重要な部品を取り付けるための、基盤ですな。緑色だったり、赤かったり、黒かったり、あるいは青かったりと、メーカーによって、色が違います。茶色っぽいのもあるな、そういえば。わたくしが調べましたところ、どうやら、青い基盤のものは、冷却効果が高く、赤い基盤のものはスピードが速いようです。なんて、うそです。もうエイプリルフールは終わったのでした。ウソついちゃいけません。色によって違いはありません。

 そうそう。ASUSTeKというのは、そのマザーボードを造っているメーカーの名前です。いったいなんと読むのか? 読めますか、みなさん? これはどうも、エイサステックとか、アイサステックとか読むらしいですよ。とか? どっちかにしてくれよ。と、おっしゃる方には(ぼくは、おっしゃった)、エイサステックと読むことを勧めします。(※注)

(※注)
掲示板でASUSTeKは、「アスーステック」と読むのが正しい。というご指摘をいただきました。雑誌のインタビュー記事で、ASUSTeKの方が、そのように発音してほしいと発言していたそうです。謹んで修正させていただきます。(2003/4/13)


 マザーボードのメーカーで、人気があるのは、このASUSTeKと、GIGABYTE、あるいは、AOpenというメーカーだそうです。どれも台湾の会社ですな。台湾は、マザーボードの産地なんですよ。ほとんどのマザーボードは、台湾で収穫されます。あ、そうか。だから、フルーツみたいに、いろんな色があるんだな。なるほど(誤解してます)。

 さらに、わたしは、Athlon(アスロンと読んでくださいまし)というCPUと、PentiumというCPUでは、マザーボードの種類が違うことも学びました。ええ。もうスペック表を見れば、どのマザーボードが、どのCPU用なのか、すぐにわかりますとも。

 で、いろいろ計算したんですが、コストパフォーマンスのいいパソコンを作ろうと思ったら、Pentiumより、Athlonのほうがよさそうです。性能が同じなら、Athlonの方が安いんですよね。

 なんてことを、あーでもない、こーでもないと考えていたわけですが、そんなある日(昨日ですが)、知人が電話をかけてきました。

「TERUさん。パソコンを自分で作ってみたいって言ってませんでしたっけ?」
「うん。言ってました」
「もう作っちゃいました?」
「作っちゃってません」
「あ、そうですか。じつは、知り合いに好きな人がいましてね。新しいパソコンを作ったそうなんですよ。そしたら、部品がいろいろ余ったそうなんで、あげようかって言われたんですけど、TERUさん、ほしいですか?」
「ほしい! いや待て。早まるな。石橋は、叩いて渡ろうホトトギス」
「は?」
「気にしないでください。えーと、その余った部品ってなんですか?」
「AthlonっていうCPUと、マザーボードと、256MBのメモリが3枚あるそうです」
「ほしい! ください! いますぐ!」
「じゃあ、もらってきますよ。午後にでも取りにきてください」
「午後。午後ですな。午後というのは、十二時からですな。ということは、十二時に行けばいいわけですな?」
「あ、いえ……二時ぐらいにしてもらえると助かるんですけど」
「では、二時きっかりにおうかがいしましょう」
「ホントにほしいんですね」
「ほしいんです」

 で、わたしは、二時に行きましたよ。そしたら、そのAthlonは、800MHzという、いまとなっては、かなーり、古い感じの、しょぼいCPUでした。ま、人生なんてそんなものさ。それでも、ぼくが使っているパソコンは、PentiumIIの400MHzですからね。単純に計算して、倍も早い。ありがたくいただきましょう。

 マザーボードは、AOpen製でした。まあ、これは動けばどこのだっていい。そうは言っても、けっこうありがたかったのは、日本語の丁寧なマニュアルが入っていたことです。元箱まできれいに取ってあるんだもんな。律儀な人だ。

 一番うれしかったのはメモリ。256MBが3枚。つまり768MB。すばらしい。ついでに、もう使わないからって言われて、WindowsMeも、もらっちゃった。これって、犯罪じゃないよね?(じつはわたくし、Windows98ユーザー)

 部品をピックアップしたその足で、秋葉原に行きまして、PCケースを購入しました。どれがいいかなあ。なーんか、どれも派手なデザインだよなァ。シンプルなのがいいんだけどなあ。けっきょく、メーカー名もよくわからん、300ワットの電源が入った白いケースを買いました。5,980円なり。これから暑くなりそうなんで、ケース用のファンも一個購入。869円なり。

 車に押し込んで、さあ、帰ろう! さっそく組み立てだ!

 で、家に戻りまして、PCケースを箱から出しました。ネジを外して、中を見る。電源から、スパゲッティーのように、ケーブルがにゅろにょろ出ております。どこを、どこに差したらいいのか、サッパリわかりません。いきなり、挫折しそうな予感。それ以前にですね、マザーボードを、どうやってケースに取り付けていいのかわかんない。安いのを買ってきたせいか、マニュアルが入ってないんですよ。

 うーん。唸りながら、付属しているネジなんかを眺めていましたら、どうやら、ケースにマザーボードをネジつけるための部品をつけなきゃいけないようなんですな。たぶん、そうだろうと見当をつけて、その部品をケースに取り付けみたら、バッチリ正解だったみたいです。マザーボードの取り付け完了。

 次のステップは楽でした。マザーボードの日本語マニュアルが、バッチリ助けてくれたのです。電源ケーブルを、マニュアルどおりに差し込んで、前に使っていたパソコンをバラして、CD-RWを取り外し、取り付ける。フラットケーブル差し込んで、電源も差し込む。簡単簡単。フロッピーも同様の手順で取り付けます。そしてハードディスク。万が一のことを考えて、午前中にちゃんとデータのバックアップをとっておいたので、最悪の場合、フォーマットし直しちゃえばいいやと思っていたので気が楽です。こいつも、フラットケーブル取り付けて、電源ケーブル差し込んで終わり。

 最後に、電源スイッチだとか、ハードディスクのアクセスランプ用の細いケーブルを差し込みます。これは、マニュアル見ながらやっても、けっこう難しかった。だって、端子がすごく変なんだもん。ずらーっと並んでいる端子が、それぞれ、電源スイッチ用とか、アクセスランプ用とか、キチンと分かれているわけじゃない。言葉で説明するのは大変ですが。

 まあ、そこも何とかクリアしたので、AGPカードを差し込みます。グラフィック表示用の部品ですな。ここで、モニタにつなげて、まだPCのフタは開けたまま、電源スイッチをオン! さあ動け!

 動きませーん。というのをご期待のみなさま。残念でした。動きましたよ。あっさりと。でもね、Windowsは起動するんだけど、猛烈に不吉な動きです。マウスはカクカクとしか動かないし、グラフィックボードで指定してあった解像度も表示されません。

 やっぱり、ハードディスクのフォーマットからやり直しかなあ。めんどくさいなあ。と思ったのですが、狭い画面のWindowsに、なにやら「なんとかデバイスを発見しました」というようなダイアログボックスが次から次へといっぱい出て、適当に「OK」とか「次へ」を押し続けていたら(なにが書いてあるのか、読んじゃいない)、再起動を要求されて、言われた通り再起動したら、いままで使っていたWindowsの画面になりました。やったーっ。楽ちんじゃん。

 すべてうまくいったようなので、いったん電源を切って、ケーブルをぜんぶ引っこ抜いて、PCケースのフタを閉めました。さあ、完成。楽勝だったね。

 ところが……

 ここで、大きな問題が発生しました。フタを閉めたPCに、ふたたびケーブルを取り付けて、さて、新しいPCを作ってみましたよなんてエッセイでも書くかと思った矢先。

 それまで気がつかなかったんですけど、ものすごく、うるさいのです。ファンの音が。キュイーンって、うなってる感じ。しかも高周波。とっても不愉快。むむむ。なんちゅう騒がしいパソコンじゃ。でも、それだけ中が冷えてるんだろう。がまんがまん……

 エッセイ執筆中……がまんがまん……執筆……

 がまんできなーい! こいつ、うるさすぎ! 頭痛がする!

 なんで、こんなにうるさいんだよ、ちくしょう。そんなに扇風機を回す必要ないだろ。そっちは冷えていいかもしれないけど、こっちのCPUが沸騰しちゃうよ!

 ふたたびケーブルを引っこ抜いて、PCケースのフタを開けて、ファンを一個止めちゃいました。平気だよ。後ろに一個ついてるんだから。前にあるヤツなんか止めたって大丈夫、大丈夫……本当は不安です。でも、マジでうるさいんだもん。

 またフタ閉めて、こんどはどうだ? うん。だいぶ静かになりました。いままでのパソコンに比べたら、まだまだうるさいけど、これならがまんできるレベルかな。

 では、エッセイなどを……ギャーッ! キーボードが動かない!

 落ち着け。きっとキチンと差し込まなかったからだ。電源切って、ちゃんと差し込んで、また電源入れて……あ、動いた。よかった。

 それから、何度か再起動を繰り返してみましたが、キーボードが動かなくなる現象は再現してません。やっぱり接触だったんだな。でも、再起動のたびに、キーボードの「Num Lock」が解除(それとも、オンになるの?)されてしまって、テンキーの数字が打てません。起動のたびに「Num Lock」キーを押せばいいんだけど、原因不明。

 さらに、Windowsが起動するときの音が、キチンと聞こえるときもあれば、ぜんぜん聞こえないときもあるし、途中でブチッと切れることもある。起動したあとは、不安定なところはないのだけど、なんだか、ビシッとしませんな。ちなみに、いままでは、サウンドカードを使っていたのだけど、今度のマザーボードは、サウンドがオンボードで乗っているので、そっちを使ってます。まえのサウンドドライバを削除して、ちゃんとマザーボードのサウンドドライバを入れたつもりなんだけどなァ。(起動してしまえば、きちんと音は鳴ります)

 うーん。パソコンを作るのって、なかなか難しいものですねえ。

 あ、そうそう。一応ね、なんとなく速くなりましたよ(笑)。


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