ぼくの罪



 先日、ホテルの前の路上で、二人の女性に捕まってしまいました。二人とも妙齢で、笑顔がとてもチャーミングなんですが、今日ばかりはちょっと怖い。彼女たちに迫られると、ぼくは、言い訳もしどろもどろで、たじたじです。さあ、困った。このビッグトラブルを、どう切り抜けよう。ぼくはべつに、女性経験が豊富というわけではないので(この点、一部で誤解があるようですが)、こういうとき、なんて言って切り抜けていいかわからないんですよ。

 けっきょくぼくは、彼女たちの前でシュンと小さくなって、ごめんなさい。と、素直に謝りました。ぼくが悪いんですから仕方ありません。でも悪気はなかったんです。魔がさしたと言うか、出来心と言うか……

 で、恐る恐る、彼女たちを見上げると(いや、実際には小柄でキュートな女性なんですよ、二人とも)、彼女たちは、にっこりほほ笑んで「もう二度と、こんなことしないでね」と、許してくれました。

 ああ、よかった! やっぱり優しい。でもそのあと、彼女たちは、キッチリ青い色の切符をぼくに手渡しましたが。

 え? なんの話かって? やだなあ、なにを想像したんですか? 駐車違反で、婦人警官に捕まったんですよ。

 ええと、まじめに申し上げますと、この日の違反は、交差点での駐車違反ということで、点数は3点減点。さらに反則金が1万8千円。ひえええ。高い。でもすでに、レッカー車も来ていて、運ばれる寸前に車に戻ったので、不幸中の幸いと言えば、幸いかもしれません。レッカーまでされたら、プラス1万5千円でしたっけ? 2万円だったかな?

 ちなみに、婦人警官に限らず、最近の警察官の方々は、愛想がいいです。いろいろ不祥事が続いているせいでしょうかね。お客さんが気分よくお金を払えるように、気を使っているんでしょう。すばらしい。って、なんか違うぞ。

 それはともかく、サンデードライバーやぺーパードライバーでもない限り、東京シティで日常的に車を使っていると、一度も捕まらないっていうのは至難の業ですね。なんとか、今のところ免停だけはならないように注意していますが、今度の違反で、それも風前の灯ですよ。ここしばらくは、笑顔のチャーミングな婦人警官から逃げ回る日々が続きそうです。

 ヘイ、そこの彼女。なにしてるの? え? ぼくの車のタイヤに、チョークで印をつけている? そりゃないよ、お茶でも飲みながら、ゆっくり話し合おう。ダメ?


≫ Back


Copyright © TERU All Rights Reserved.