マイライン



 今年(2001年)の五月1日から、「マイライン」と「マイライン・プラス」が始まりますよね。いよいよ、電話会社の競争時代(ホントに競争してくれるのか、ちと不安だけど)。うちにも、いままで利用していた電話会社から、「マイライン」の申込書が、届き始めました。

 うーん。心情的には、NTTの独占を、なんとかしたいような気もするので、ほかの会社を利用したいなって感じですが、ちょっと待ってください。ぼくはどーも、この「マイライン」と「マイライン・プラス」というものが、よくわかってない。最近、料金体系も複雑ですから(航空会社ほどではないけど)、たとえば、テレホーダイとか使ってる人はどうなるの? みたいな、疑問が浮かんじゃうわけ。ホント、よくわからない。ぼくみたな方、けこういません?

 しかもこの申し込み、今年の10月31日までは無料ですけど、11月1日からは、登録(および変更)に、800円(税別)がかかるんです。無料で登録できるときに、間違いのないようにしておきたいものです。

 そこでわたくしTERUは、各社に電話して、いろいろ聞いてみました。「マイライン」って、よくわからんという方は、どうぞ、このエッセイを参考になさってくださいませ。とくに「マイライン・プラス」はクセ者です。エッセイの後半で説明しますから、よーく読んでくださいね。

 さてさて。まずは大元の「マイライン」から。

 これは「電話会社選択サービス」と言うとおり、自分が利用したい電話会社をあらかじめ決めておけるってサービスですね。現在、KDDIを使いたいときは、電話番号の頭に、「0077」って電話会社の識別番号を打ち込んでいたわけですが、それが必要なくなるわけです。はい。今回の目玉商品でございますよ、奥様。

 しかも奥様。聞いてくださいな。「市内通話」「同一県内の市外通話」「県外への通話」「国際電話」の、四つの区分で、それぞれに、お安い電話会社を、お選びいただけるんでございます。どうです。お得でしょ? いや、たぶん。

 ええと、めんどくさいけど、まだ、お手元に資料がない方のために、それぞれの区分で、利用できる電話会社を書いておきましょうかね。


 通話区分、および利用電話会社一覧



▼ 市内通話

電話会社(略称) 識別番号
KDDI   *1 0077
日本テレコム *1 0088
NTT東日本 *2 0036
NTT西日本 *2 0039
東京電話   *2 0081
九州電話   *2 0086


*1
KDDIと日本テレコムの市内通話は、2001年5月より順次全国展開の予定。

*2
この電話会社のサービス地域の人のみ登録(利用)可能。(たとえば、東京在住者は、NTT西日本と、九州電話は、利用できないってことですな)



▼ 同一県内の市外通話

電話会社(略称) 識別番号
KDDI 0077
日本テレコム 0088
ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC 0061
フュージョンコミュニケーションズ  *1 0038
NTT東日本 *2 0036
NTT西日本 *2 0039
東京電話   *2 0081
九州電話   *2 0086


*1
フュージョンコミュニケーションズは、2001年4月よりサービス開始予定。

*2
市内通話と同じく、この電話会社のサービス地域の人のみ登録(利用)可能。



▼ 県外への通話

電話会社(略称) 識別番号
KDDI 0077
日本テレコム 0088
ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC 0061
フュージョンコミュニケーションズ  *1 0038
NTTコミュニケーションズ 0033
東京電話 *2 0081
九州電話 *2 0086


*1
フュージョンコミュニケーションズは、2001年4月よりサービス開始予定。

*2
市内通話と同じく、この電話会社のサービス地域の人のみ登録(利用)可能。



▼ 国際電話

電話会社(略称) 識別番号
KDDI 001
日本テレコム 0041
ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC 0061
NTTコミュニケーションズ 0038
テレグローブ *1、2 0031
東京電話   *2 0082
ワールドコム・ジャパン 0071
グローバルワン *3  009123
ドイツテレコム 0080
▲赤文字注意


*1
テレグローブは、2001年1月以降にサービス開始予定。

*2
市内通話と同じく、この電話会社のサービス地域の人のみ登録(利用)可能。

*3
グローバルワンは、法人のみ。

識別番号の赤文字
会社の合併とかの影響だと思うのですが、国際電話をかけるときの識別番号は、国内通話のときと違う会社(赤文字)が、あります。

1



 だあ、疲れた。ぼくは、なんで、こんな細かい表まで作ってるんだ。こんなことやってる暇があったら、小説を書け! ああ、凝り性な自分が恨めしい。なんか、電話会社の社員の人が、この表を印刷して使えそうだぞ(自画自賛)。

 まあ、そんなわけで、上に書いた表のとおり、それぞれの通話区分で、それぞれ利用できる電話会社を、自由にチョイスできるわけなんですよ。

 で、ですね、いま仮に、市内通話にはKDDIを登録したとしましょう(べつに、KDDIがいいって意味じゃないですよ)。そうしますと、普通にダイアルするだけで、KDDIに自動的に繋がる(利用する)わけですわ。これが、「マイライン」の効用ですな。お手間は取らせませんと。でもですね、ふと、NTTや日本テレコムが使いたくなったらどうしましょう? もっとも問題なのは、テレホーダイですよ。これはNTTのサービスだから、自動的にKDDIに繋がっちゃったら、それは、テレホーダイではなくなってしまう! うわ、大問題だ!

 いえ。ご安心ください。「マイライン」でKDDIを登録してあっても、例の識別番号ってヤツを、電話番号の頭に入れれば、その電話会社(この場合はKDDI以外)を利用できるのです。テレホーダイでインターネットしてる人は、パソコンの「接続」の設定で、ダイアルする電話番号の前に、NTTの識別番号(NTT東日本なら0036)を入れておきましょうね。もちろん、「マイライン」で、NTTを選んだ人は、その必要はありません(当たり前じゃ)。

 ちなみにこのテレホーダイの件に関しては、NTTに聞きづらかったので、KDDIに問い合わせました。KDDIの女性オペレーターの方(名前は失念)、詳しい説明、どうもありがとう! 年齢26歳、肩ぐらいまで伸ばしたストレートヘヤーがお似合いの、知的な方と想像しましたが、いかがなもんでしょ。それに比べてNTTは、なんか、四十過ぎのオバサマぽかったなあ。中学生の息子と、小学生の娘がいるね、あの声は。って、なんの話をしとるんじゃ。

 さて。この仕組みは、市内通話だけでなく、四つの通話区分すべてで同じです。つまり、もっともよく利用する電話会社を「マイライン」に登録しておいて、たまに使う電話会社は、そのつど、電話番号の前に、識別番号を打ち込めば(ダイアルすれば)いいのです。これは、一見、いまと変わらない気がしますけど、現在は、識別番号を入れないと、必ずNTTを利用する仕組みになってるところが違うわけです。つまり、いま現在は、NTTが特別扱いと考えるとわかりやすいですね。「マイライン」は、NTTも、ほかの電話会社と、同列に扱いましょうという仕組みなのです。

 じゃあ、この「マイライン」の申し込まないと、どーなっちゃうの? という疑問も浮かびますよね。その場合は、いままでとまったく同じ。つまり、上に書いた通り、NTTに繋がります。ただ、その場合でも、電話番号の前に「識別番号」を打ち込めば、いま現在と同じように、その電話会社を使えます。まさに「いまと同じ」ですね。

 ではでは、いよいよクセ者の「マイライン・プラス」について。

 ええと、「マイライン」は、電話会社選択サービスですが、この「マイライン・プラス」は、電話会社固定サービスです。どこが違うの? だって、「マイライン」でも、わざわざ、電話会社の識別番号を打たなくてもよくなるんでしょ? 固定サービスと同じようなもんじゃん。

 そうなんです。なぜ「マイライン・プラス」なんて仕組みがあるのか、ぼくにもよくわかりません。でも「マイライン」の申込書には、「マイライン・プラス」を利用するかどうかを選択する項目が、必ずあります。ここにうっかり「利用する」あるいは「希望する」なんて、チェックを入れたら、あなた、それは、えらいことですよ。

 なにが、えらいことか? くどいようですが、「マイライン」にKDDIを登録しても、NTTが使いたい時は、識別番号さえ入れれば、NTTを利用できる。ところが、この「マイライン・プラス」は、「固定サービス」なのです。「マイライン・プラス」にしたら、例の電話会社の識別番号を、電話番号の前に入れてもダメなんです。ただし、「マイライン・プラス」の解除番号「122」を識別番号の前にダイアルすれば、そのときだけ、「マイライン・プラス」を解除できますけど。この、解除の説明が、また、小さな印刷なんだ(苦笑)。

 先ほどのテレホーダイもそうですが、最初はKDDIが安かったけど、日本テレコムががんばって、料金を安くしたとしましょう。このとき「マイライン」なら、日本テレコムの識別番号を入れれば、日本テレコムを使えますが、「マイライン・プラス」では、さらに解除番号も打ち込まなきゃいけない。余計な手間が増えるだけって感じですよねえ。ちなみに、登録(変更)手続きは11月から800円です。この変更手続きは、書面でしかできないから(第三者が、勝手に変えるのを防止するため)、たぶん、変更にも時間が掛かる。

 ちゅうわけで、「マイライン・プラス」には、あんまりメリットがないんじゃないかと思われます。会社(法人)とかが、大口契約かなんかで、通話料金を安くしてもらうとか、そういうことがあるのかもしれないけど(あるいは、将来的に)。

 まあ、ぼくの意見としては、「マイライン・プラス」に登録するのは、なんらかのメリットを見いだせる人だけがやるべきもので、通常は、ただの「マイライン」で、オッケイなのではと思います。NTT東日本と、KDDIに聞いたところ、「マイライン・プラス」にしても、料金的な割り引きは、とくにないそうですし。うーむ。普通は、あなたの会社だけ使うって言えば、ちょっぐらい安くしてくれそうなもんですけどねえ。

 ところで、「マイライン」で、電話会社を選択しただけでは、その会社独自の割り引き制度は利用できません。KDDIで言えば、「かけどくぱっく2」とか「だんぜん年割」とか。NTTコミュニケーションズなら「シャベリッチ」とかとか。こういうのは、それぞれの電話会社と、割り引き契約を結ばなくてはなりません。あと、NTTのオバサマが、つっけんどんだったから(お疲れだったのでしょう)、詳しく聞けなかったのですけど、市内・市外通話にNTT東日本を、県外にはNTTコミュニケーションズを、それぞれ選んだ場合、元は同じ会社だから、ちょっと割り引きがあるとかないとか、言ってたかな。

 けっきょく、どの電話会社を選べばいいのよ!

 という疑問の声が聞こえてきそうですが、それは、各自、電話会社の基本通話料金や、割り引き制度なんか比べて、じっくりお考えください。わたくしTERUも、そこまで調べるほど暇人じゃないんでございますよ。ええ、小説書かなきゃイカンし。でもまあ、市内通話に関しては、どの会社もほとんど通話料金は変わんないみたいですね。となると、個人的な好みではKDDIかな。だって、オペレーターが…… そりゃ、ただのスケベ心だって(苦笑)。

 さらに(まだ、あるんかい)、各社の送ってくる「マイライン申込書」は、各社独自の申し込み用紙ですから、なかなか、「他社」を選択するとは書きにくい。だって、NTTからしか申込書が送られてこなかったとすると、市内も市外も県外も国際電話も、NTT以外の会社を使いたいなんて、書けないじゃないですか。だいたい、利用会社のところに、でかでかと「NTT」って印刷してあるし、最初から。

 と、そういう場合は、利用したい会社から、申込書を送ってもらうか、あるいは、「正規」の申込書を、送ってもらいましょう。マイラインセンターというところに電話すれば、利用会社が、空欄になった申し込み用紙を送ってもらえます。はい、マイラインセンターに電話して聞きましたから、間違いございませんよ。マイラインセンターのフリーダイアルは「0120-000-747」です。

 最後の最後に。このサービスは、現在の電話機で、そのままで利用可能です。なにかを取り付ける工事も、新しい電話機を購入する必要もないです。その手の悪徳商法には、気をつけましょう。ただし、ACR(安い電話会社に、自動的に接続する機能)のある電話機は、「マイライン」に登録して、そのサービスが始まったら、ACRを無効する必要はあるでしょうね。その辺は、電話機の説明書をお読みくださいまし。


 さあ、いかがでしたか。いろいろ電話して、なるほど〜 とか、思っちゃったもんだから、つい、こんなエッセイを書いてしまいました。っていうか、エッセイじゃないよね、今回のこれは(苦笑)。


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